地球元気村

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海から見よう!日本の自然、日本の人

自然とにらめっこ
―それではヨーロッパから離れると、どういう考えになるのでしょうか?
内田僕は世界の海を旅してきた中で、カナダの海洋インディアンや南洋のポリネシア人など、いわゆる先住民、原住民と呼ばれている多くの人達と交流してきました。彼らは、あんまり闘わない人達です。人間同士闘わないだけでなく、自然とも闘わない。自然は受け入れるもの。例えば津波は防波堤で止めるという発想ではなく、海の中の海藻で止めればいいっていう考え方をする人達です。
日本列島人は海洋民族だった
内田実は僕たち日本人も彼らと同じ血を引いている、そもそも最初にアメリカ大陸やポリネシア圏へ海を渡って拡散して行った人類の祖先は、日本列島人だったのではないかという説があります。日本人って、実は世界でも最も優れた海洋文明を持った民族の子孫だと。
例えば日本の千島列島からアリューシャン列島を経てアメリカ大陸へと繋がるルートは、間にたくさんの島があって、さらにその間に暗礁があるとそこに昆布の島ができる。ケルプハイウェイ、「昆布の道」と呼ばれていますが、それを伝って行ったのではという考えがあるんです。そう言われてみると確かに、このルートは地球儀で見るとそれが一番まっすぐで近いし、距離も2500kmくらい。カヤックで行っても純粋に漕ぐのは週間くらいです。それに昆布の島には生命が多いから食べ物も多い。しかもあの辺は低気圧の墓場と言われるくらい海が荒れるところなんですが、昆布が波のエネルギーを吸収すれば海は穏やかになります。だから、海の上を移動することに卓越した人達ならば、そこを渡って行くのはそんなに難しいことではなかった、と、僕も思うんですよね。
一方では、日本語とポリネシア語ってものすごく共通点が多いとも言われています。「しとしと」とか「わくわく」とか、同じ言葉を繰り返す「畳語」って、日本語とポリネシア語にしかないらしいんですよ。
僕が海に特化していろいろ考えるのは、やっぱり日本という「列島」に産まれ育ったということを意識しているからだと思うんです。島って文明的にも孤立している。世界中を見回しても、これほど不思議な国はないですから。ともすると僕たちは、日本は西洋文明にかなり犯されてしまったように感じている部分がありますけれど、実は僕たち全く西洋人的じゃありません。例えばハワイなんかはもう完全にアメリカですけれど、日本はかつて一度も植民地になったことのないネイティブ国家ですから。日本でしか感じられない日本の自然、日本語でしか感じられない日本人の自然観っていうのが、今もたくさん残っていると思うんですよ。
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