地球元気村

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自然は使って守るもの

― 一般の人達の目から見て、鹿はとかく愛らしく映ります。日常的に豚や牛は食べていたとしても、鹿を獲って食べることには嫌悪を感じる人も珍しくありませんが。

松田嫌悪を感じるのは、ごく普通の発想だと思います。例えば先進国の動物学教室や研究室の学生には、動物愛護の観点からベジタリアンがとても多いです。真面目なんですよね。ただ、それも考え方のひとつですが、私にしてみれば現場を知らないだけにも思えてしまうんです。
例えば象牙も、持続可能なら利用してもいいのではないか、という見解もあるんです。日本の環境省の方針もそうなっています。でもケニアでは絶対ダメ。むしろ獲らない方が補助金が出るんです。しかしその棲息域近隣では象の被害が出ていて、その状況でも獲らないことに対して補助金を出すのか?悪いのは被害者の方なのか?という話になり、守るべきものが何なのか本末転倒な問題が起こっています。

【自然は使って守るもの】

― それでも自然を獲ることは自然破壊になるのでは、という意見はあると思うのですが。

松田なんのために自然を守るかということですよね。それは、自然に「価値」があるからです。その「価値」の大半は、「使うこと」です。世の中に、使わなくて価値があるものは、ほとんどありません。価値があるものは使ってこそ意味がある。使うために管理する。貯金と同じです。

― 単純に、「守る」とは「使わない」即ち「獲らない」ということではないのですね。

松田そういうことですね。
例えば、私も携わっているユネスコのエコパーク事業は、自然を持続可能的に使うことで地域の発展を目指す自治体レベルの取り組みです。ユネスコというと、「世界遺産」が馴染み深いですが、世界遺産はその地域がどのくらい守られているかだけを評価しているのに対し、エコパークは人間による持続可能な地域づくりを自然とどう繋げているか、という観点から評価しています。地球元気村が活動拠点のひとつにされている福島県の只見町も、「只見ユネスコエコパーク」が登録されていますよね。
ただ、エコパークに認定登録はされても、それだけで地域の方々が経済的に潤うわけでもないし、なかなか難しい問題があるというのも現実です。いくら自治体がエコパークのメリットを感じて推進しても、必ずしも地域住民がそう思っているとは限らない。受け入れ側である地域の方々が、エコパークの主旨に興味を持ち、理解していただくことが課題です。今、エコパーク事業の推進に必要なのは民間レベルの活動なんです。だからこそ、民間でこれだけの啓蒙活動を長年続けてこられた地球元気村には、とても期待しているんですよ。

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