地球元気村

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縄文流 いのちの伝え方

僕は大工として、人間の暮らしの基本、「衣・食・住」の「住」部分に大きく関わってきました。だから「住」の切り口から、石斧をとおしてものづくりの原点にたちかえることに出会いました。でも、人間って誰だって本来は「衣・食・住」全ての分野において、生きるための力としての知識をもっていたし技術ももっていたはずなんですよね。たとえ上手い下手はあったとしても、みんなそれぞれが自分で出来たはずで。

縄文人になってみる

僕は、2年後に向けてある冒険を計画しています。具体的には、縄文人を想定した衣服を着て裸足で歩き、自宅のある山梨県の塩山から白馬岳に登り糸魚川に下りて、そこからは、石斧で木を伐採するところからつくった丸木船に乗って、岸沿いに石川県の能登半島の真脇まで旅します。身の回りの物は必要最低限しか持たず、食べ物はそこにあるものを食べる。
今、その冒険のために、裸足で毎朝歩いたり山に登ったり、食生活を変えたり、と、縄文的暮らしを身体にしみこませて鍛えていっている最中です。そういった準備もしながら、人間の精神的なところで暑さ寒さを感じないように心も鍛えています。
原始を知って古いものを学んでもらうことによって、現代文明から離れても人間は豊かに幸せに暮らせるんだということを知ってもらいたいんです。古いものは決して駄目じゃない。むしろ凄い。そもそも石斧だけで船をつくって、その船で航海できるの?とか。そういうことを、実際にやってみて確かめたいんですよ。何より僕には、大工としてやってきて、石斧と触れて来た からこその技術があるんです。それを活かさない手はない。
現代人は、どうしても現代のものしか知らないから、昔のものはすごく良くてもそれを知ることができない。石だって道具として使わなければ、ただの石ころです。
だからこそ、原始人と言われている人達の暮らしと同じような事ができる能力を自分が持っているのならば、それを実際に自分で使い、体験してみれば、そういう人達の気持や精神的なところも理解できるんじゃないでしょうか。そこに見えるものもきっと違ってくると思うんですよ。先人のことを学ぶにしても、ただ遺跡を掘り出して机の上から眺めるだけではもったいないじゃないですか。
人間をやめたくない。「人間ってすごいんだ」ということを、僕は今回の冒険を通して示したいんです。限りある命、少しでも未来の子どもたちへと命をつないでいきたいと願っています。
上列左から4本:石斧兼チョウナ 上列右2本:石ノミなどを叩く木槌 下列:石や骨のノミ
石の道具だけでも出来ることは計り知れない(P3 写真、縄文小屋の内部にて)
博物館などのイベントを通し、実際に縄文式の道具を使って木を加工してみる ワークショップも実施している
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